「大人の発達障害」が、知られるようになってきました。ほとんどの人には発達障害とは子どものものといったイメージしかないかもしれません。しかし発達障害に悩むのは子どもだけではありません。大人の発達障害もあるのです。
人間関係がうまくいかない。仕事でミスが多いきがする。よくわからないことで他人から怒られるなど、もしかして…と不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。発達障害という概念がなかった昔は、変わった人といった扱いを受け、生きづらい思いをしてきた人も少なくないと思います。
そもそも発達障害とはどのような状態なのでしょうか。自分が発達障害かもしれないと思ったら、どうすればよいのでしょうか。
「発達障害」は、脳の情報処理や制御に偏りが生じて、コミュニケーションなど日常生活に困難が生じる状態のことをいいます。生まれ持った脳の特性によるものなので、決して育て方の問題や心の問題で発症するものではありません。
その発達障害の中で、大学生以上の年齢の人の発達障害のことを「大人の発達障害」と言います。子どもの頃は、例えばコミュニケーションが苦手でも勉強ができ、普通に生活ができていたので、発達障害が問題になることがなく見逃されてきたケースがあるのです。
しかし、今まで日常生活に支障がない程度の発達障害を持つ人が、大学などへの進学・会社への就職によって、より高度なコミュニケーションが必要となり、困難を抱える場面が多くなります。そこで初めて発達障害と診断されるのです。
大人の発達障害の問題は、子どもの頃とは違い、大人だからということで周囲から否定的な目で見られることが多くなります。ストレスも溜まり、うつ病などを発症してしまうことも。そうなると仕事の継続が難しくなったり、失職してしまうなど、社会的・経済的に不安定な状況に陥ってしまう危険があるのです。
大人の発達障害は、大きく分けて三つの傾向があるといわれます。
それぞれの傾向を併せ持つ人がいたり、その傾向の強さが異なったり、そもそも「発達障害であるか、ないか」と線引きできるものではなく、誰でも多少なりとも三つの傾向を持っており、それによる困難が積み重なることで「発達障害」となるのです。
Autism Spectrum Disorder - ASD
自閉スペクトラムの中心となる症状は「対人コミュニケーションが苦手」「強いこだわり」「融通が利かない」といったものです。変化に対応することが難しく、些細な変化に対しても大きな抵抗感や苦痛を感じてしまいます。
Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder - ADHD
不注意（集中力がない）、多動性（じっとしていられない）、衝動性（思いつくとすぐ行動）といった症状が見られます。
集中力が続かないため物事に注意を向けることを持続できない。感情が強く表に出やすい傾向があるため、暴言、暴力がでやすい。周囲の人々や環境に上手くなじむことができないことで苦痛を感じてしまいます。
Learning Disability - LD
知的な遅れではなく「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算」などに困難が生じる発達障害のことです。
ただ単に成績が悪いといった事を指すわけではありません。また歳をとることによる能力が落ちてくることとは関係がありません。
「もしかして発達障害かも？」と疑ったときは、精神科か心療内科が相談先になります。 そして、適切な診断に基づいて、自分の得意なことや苦手なことなどの特徴を把握し、「苦手なことをカバーする工夫」や「得意なことを生かす環境を探す」ことが大切になってきます。
大人の発達障害を持つ人が活躍できる・働ける企業は増えつつあります。しかし、それでも働きづらい職場にいたり、その仕事に向いていないなどの理由でうつ病など二次的な問題を起こし、休職や退職せざるを得ない状況に陥ってしまうことも。そのような状況になってしまうと、社会的・経済的に苦しい状況になってしまうことも考えられます。
サポートキャリアは、就労移行支援事業所ディーキャリア新山口オフィスを開所し、「やりがいを感じられる仕事探し」×「あなたらしい働き方探し」をサポートしながら大人の発達障害を持つ人などにあなたらしいキャリアの実現を支援します。
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